髪の毛を構成する4つの主要成分とその他の微量元素とは?

知識

人体を構成するタンパク質は大きく分けると”ケラチンタンパク質””コラーゲンタンパク質”に分かれます。

髪の毛はそのうちの”ケラチンタンパク質”と呼ばれるタンパク質が大部分を占める形で構成されています。
この”ケラチンタンパク質”は皮膚の構成の大部分を占め、保湿力に優れる”コラーゲンタンパク質”とは違い、強い強度を持つタンパク質となります。

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今回は、髪の毛の構成成分について、髪の毛はケラチンタンパク質以外にどのような成分で構成されているのか詳しくみていきましょう。

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髪の毛を構成する4つの主要成分とは?

髪の毛を構成していると言われる主要成分は4つあります。
まずは、80%~90%を占めるのが先程にも記載させていただいた通り、”ケラチンタンパク質”となります。
このケラチンタンパク質とは、血液中から”18種類のアミノ酸”や毛髪を作る働きを助けてくれる”ミネラル”などを毛母細胞に取り込んで、作り上げられます。

そして、18種類ものアミノ酸の中の約14~18%”シスチン”というアミノ酸で、そのシスチンを多く含んでいます。
シスチンを多く含んでいる事によって、他のタンパク質と比べて腐敗しにくく、化学薬品に対しての耐性も持ち、物理強度も強く、弾力も大きいという特徴を持ったケラチンタンパク質となるのです。

毛母細胞の細胞分裂というのも、実は体の中でも最も活発な行動をしている部分でもあり、毛髪が一日に伸びる長さは約0.4mmと言われていますが、毛髪は約10万本あると言われているので、その85%が成長期の活動をしている毛母細胞とすると、伸びた長さを髪の毛一本につなげてみると、なんと一日に34mも伸びていることになります。
つまり、毛母細胞は34mのケラチンタンパク質を毎日作り出していることになります。

驚きですよねっ。
髪の伸びる長さは個人差もありますが、伸びるのが早いという事は、新陳代謝が活発な人と言えますね。
そう言われると、自分も汗かきやすい体質なので、新陳代謝はいいのかな?と、
だから髪が伸びるのも早く感じるわけかぁ~!と、思わず納得してしまいました。(笑)

では次に、ケラチンタンパク質についで多く含まれる成分は”水分”になります。
これは、人体の約70%が水分と言われているので何となく想像がつきますね。

髪の毛の水分は通常の空気中では約10~15%程、含まれているそうです。
この水分量は、髪を洗った直後だと、約30~35%、ドライヤーで乾燥させても約10%前後の水分を保持してくれています。
しかし、毛髪は傷んでくると水分を保持する力が弱くなり、水分量が少なくなるので、毛髪の損傷度合いを測るいい目安となります。

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余談になりますが、ドライヤーをかけ過ぎて乾き過ぎてしまう事を美容師サイドでは、『オーバードライ』と呼んでいます。要するに、水分量が10%以下になるとその状況になってしまいますので、乾かさないで自然乾燥も毛髪を傷めてしまいますが、このオーバードライにも十分注意しましょう。

また、水分量は湿度の変化にも左右されやすいので、水分量が多すぎると髪のコシが失われ、逆に少なすぎると髪のパサつきやツヤ感などに大きく影響を与えてしまいます。
お肌と同じように、夏場には除湿器を、冬場には加湿器を利用して湿度コントロールする事が望ましいと言えますね。

3つ目に多い構成成分は、”脂質”になります。
脂質の割合は約1~9%となっており、毛髪中の脂質は、毛髪内部に存在する皮脂と、頭皮の皮脂腺から分泌された皮脂(毛髪に付着し、一部は毛髪内部に浸透)があります。
どちらも、組成的にはほとんど違いはなく、毛髪を保護してくれ、乾燥を防いでくれる働きがありますが、多すぎる皮脂は酸化すると汚れになり、匂いも発しますので洗髪は毎日した方がいいでしょう。

そして、最後の4つ目の構成成分は”メラニン色素”になり、その含量は約3%未満と言われています。
毛母細胞に存在する”メラノサイト(色素細胞)”の中で、アミノ酸の一つである”チロシン”を原料として酸化重合され、メラニンという色素になり、ケラチンタンパク質に取り込まれます。

メラニン色素はシミやそばかすの原因とも言われ、よく夏の時期になると日焼け止めのCMなどでもおなじみですよね。
実は、日本人の髪の中にはもともと入っている成分なのです。
このメラニン色素の量が多ければ多いほど髪色は濃くなり、逆にカラー剤で脱色するというのはこのメラニン色素を破壊して取り除く行為をする事で、それにより髪色を明るくする施術になります。

その他の微量元素とは?

上記の主要成分以外でも髪の構成成分には”微量元素”と呼ばれるものも含まれます。
毛髪中の微量元素の量は約0.5~0.9%程となっているようです。
微量元素とは、いろいろな成分が微量づつ含まれるので総称してそう呼んでいますが、その成分とは、鉄や銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属の他、リンやケイ素などの非金属を含めると”30種類くらいの無機成分”が含まれていると報告されています。

これらの微量元素は、チリやホコリ、頭髪化粧品などの外部からの付着、または体内からの蓄積によるもの、あるいは毛母細胞の分裂増殖の際に不可欠な成分として、必然的に存在するものなどが考えられているようです。

また、毛髪は有害な金属を体外に排泄する役割があるとも言われ、毛髪中の微量金属を測定する事で、身体の物質代謝の異常を察知し、健康状態を知る事も出来るとされています。

まとめ

いかがでしたか?

1本の髪の毛の中には、こんなにもたくさんの成分が含まれていて、それぞれにちゃんと意味があるんですね。

よく、髪の毛や爪などは健康を測るシグナルとも言われていて、病気をしたりしてしまうと髪の毛や爪もボロボロになってしまうそうですよ。
ちなみに、爪も髪の毛と同じケラチンタンパク質で出来ています。

なので、健康で上質なタンパク質やアミノ酸を生み出せるようにする為には、やはりバランスの良い食生活が大事なのですね。

皆さんも、時には髪の毛をいたわってあげる時間をとってあげてくださいね♪
では、また。

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